広告業界の正社員が辛かったので広告業界の派遣社員に転職して残業が140時間→10時間に減った話
大手求人広告の営業として25歳で中途入社しました。
初めての営業職でしたので、苦労することは覚悟していましたが、広告業界は思った以上に大変な仕事でした。
週間誌だったこともあり、毎週締め切りがあり、締め切りの金曜日はもう地獄絵図でした。
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正社員の頃と派遣の頃の残業時間と給料の比較
職種 | 残業時間 | 給料 | |
---|---|---|---|
正社員のとき | 広告業界 | 1日6時間、月140時間 | 35万 |
派遣社員のとき | 広告業界 | 1日30分 | 21万円 |
広告業界の正社員として働いていて辛かったこと
半端ない量のノルマ
新人の頃は週に2件ほど、新規案件を受注することがミッションのため、週に電話300本、訪問200件などのパッケージ目標が組まれ、刑事ドラマで見たような、歩きすぎて新しい靴が一瞬でだめになるというのも経験しました。
そもそも週5日勤務でしたが、基本的に締め切りの金曜日は外出禁止でした。
週4日で200件訪問するとなると1日のノルマは50件、さらに電話も1日60本しなければなりませんでしたので、外勤に出たときは、常に走っており、汗だくで飛び込み営業をしていました。
そして私が扱っていた求人広告雑誌は、全部の業種が対象だったため、土建の強面のおじ様からツンデレのお医者様など様々なお客様がおり、飛び込みで行くとお客様に「アポ取って来い」と怒鳴られて帰ってきたり、名刺を目の前で破られたりと散々な経験をしました。
会社の人間関係はとても良かったですが、とにかく先輩方も常にノルマと忙しさに忙殺されていました。
仕事の時になると先輩から
「新規とれるまで今日は帰ってくるな」
「電話の件数行ってないのに、何で電話おいてるの?」
など、新人が目標にいかないと自分たちが会社側から怒られるので、仕事の時は結構厳しく指導されていました。
この新人の時期に、社外でも社内でも相当鍛えられたと思います。
その後、新人時代が終わってからがまた困難の連続で、今度は週の目標金額、つまりノルマが持たされます。
新人のころとは違い、既存のお客様も担当するのですが、求人はどの会社も常にあるわけではないのと、競合会社が多いため、求人が出たときに声をかけてもらえるような営業をしていかないといけないのです。
とにかくお客様との接触率が多くないといけないわけです。
労働時間は300時間
新人の時に苦労して行っていたパッケージはこれのためにあったのだと、その時は感心しました。
しかし今度は自分で求人の募集広告も作成するという業務も追加になり、朝7時に会社に出勤し、商談の準備、原稿作成をして、9時には会社を出て17時まで商談、帰社し商談内容の整理、原稿作成と業務を行っていると毎日帰るのが夜12時以降になることはざらでした。
その当時はまだ、ブラック企業がそれほど取り上げられておらず、月の労働時間は多いときで300時間ほど。少なくても280時間くらい。
私の働いていた会社は大手でしたので、月280時間以上働くと産業医面談が組まれますが、産業医面談など受けている時間すらありませんでしたし、新入社員が入っても、10人中5人が残ればいいというくらい、人の出入りも激しい会社でした。
過労で倒れてドクターストップがかかった話
それを3年ほど続けていたある日、突如貧血に襲われ、商談先のお客様のところで倒れ、救急車で運ばれました。
元々普通体型でしたが、3年間で体重は7キロ落ち、貧血も思った以上に重傷で「これ以上働き続けると過労死しますよ。しばらく入院しましょう」とドクターストップがかかり、1ヶ月休職することになりました。
休職していた期間にお医者さんに「このままこの会社で働くのは自由ですが、貧血が酷くなり続けるのは目に見えているし、将来子供ができにくくなる。
そういう将来のことも含めてしっかり考えてくださいね。」と言われて、ハッとしました。
仕事自体は大変すぎるけど、楽しい。
ですが、結婚もして子供も欲しいと思ったのです。
これをきっかけに、復職後半年で退職をしました。
派遣社員に転職してから変わったこと
今までは、ずっとノルマを抱えながら、毎週毎週締め切りに追われる生活をしていたため、思った以上に精神もすり減っていたのだと気づき、給与が落ちても気楽に働けるものはないかと探していたところ、派遣社員で良い仕事をみつけ、転職をしました。
経験があったということもそうですが、広告業界の仕事はとても好きでしたので、派遣先の会社も大手広告会社でした。
仕事内容は事務系で営業さんのフォローのような形で、資料を作成したり、会議の準備や数字をエクセルに入力したりという仕事でした。
広告業界はピリピリしているイメージがあったのですが、働き方もとてもクリーンな会社でした。
仕事ができすぎて周囲に驚かれた
しばらく経つと、営業事務以外の様々な仕事に関わるようになりました。
今までものすごい業務量をこなしていたので、普通の派遣さんより早く仕事が終わってしまっていたのです。
よく派遣仲間には「与えられた仕事だけやっていればいいのに」と言われていましたが、前職に比べたら何も無理もしていませんでしたし、むしろ暇なほうが苦痛だと思っていました。
もう職業病のような感じですよね。
ということもあり、派遣先の会社からは
「尋常じゃないくらい仕事早いよね」
「スーパー派遣だね」
など褒めていただくことも多く、今までの広告会社では、目標を達成しても当たり前、もちろん金銭的には評価されていましたが、精神的な部分は全く評価をしてもらえていなかったのだと感じました。
営業をしていた時には感じられないくらい、仕事にも余裕がありましたし、精神的にも楽で、本当に転職してよかったと思いました。
そこの会社からは自社雇用に切り替えて、正社員になってほしいと言われましたが、正社員になった時に環境が激変するのが怖くて、派遣のままで働いていました。
残業は月10時間程度
派遣社員になってからは、朝9時に出社し遅くても18時半には退社。
残業はあっても月10時間くらいで、体も心もとても楽でした。
派遣社員は与えられた仕事を時間内にこなしていたら、何も言われることはありません。
雇っている側も派遣社員は時給が高いため、できるだけ残業はさせたくないという思いがあるので、残業もほぼないに等しいです。
きちんと仕事さえしていたら、長期で雇っていただけるし、普通にその辺でバイトをするより給与は高いし、こんな良い仕事あるんだなと思いました。
しかし、いつ切られてもおかしくない状況でもあるので、そこは緊張感をもって働いています。
働く時間や環境もそうですが、一番変わったなと思うのは、今まで自炊を全くしなかった私ですが、きちんと自炊もはじめ、お弁当も作っています。
食事が変わるとこんなに健康にも良いのだと改めて感じられました。
高収入で忙しい生活より収入が少なくても豊かな生活
そもそも給与が14万円も下がったというのが一番大きい要因ですが、現在のお給料でも十分生きていけますし、きちんと規則正しく生活できています。
今まではストレス発散のために、値札も見ないで服を買ったり、食べたいと思ったものを買って食べていました。
お金があったこともありましたが、とにかく何も考える余裕がなかったのだと思います。
私はお金があってつらい仕事を続けるよりも、お金が多少少なくても豊かな生活を送る方が性に合っているのだと初めてわかりました。
そして、前職の時には彼氏を作る余裕すらなかったのですが、時間に余裕ができたこともあり、派遣先の方と結婚をし、子供も生まれました。
子供が保育園に預けられるようになってから、また同じ会社でパートとして雇っていただいています。
派遣社員の時の方が給与は良かったですが、また戻ってきて働いてほしいと言っていただけたことと、子供のために時短の勤務をしたかったので、今の働き方にも満足していますし、感謝しています。
まとめ
広告業界は移り変わりの激しい世界です。
だからこそ学ぶことが大きいし、面白みもあります。
だから現在も広告業界で働いているのですが。
しかし、自分の身の丈にあった生活や将来のことを考えて、あの時派遣社員に転職していなかったら今の自分はないと思うので、本当に良かったと思っています。
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