派遣社員と請負社員の違い 働く側にメリットが大きいのはどっち?

派遣社員と請負社員の違い 働く側にメリットが大きいのはどっち?

派遣社員と請負社員の違い 働く側にメリットが大きいのはどっち?

派遣社員と似ている働き方に、請負社員というのがあります。

 

英語でいうとアウトソーシング。

 

日本語の意味的にはあまり変わらないように見えますが、実際結構違います。

 

今回は似ているようで違う派遣社員と請負社員の違いを両方体験した私が解説したいと思います。

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派遣社員と請負社員の違い

まず基本的な部分での派遣社員と請負社員の違いを説明します。

 

 

派遣社員とは、人材派遣会社との間に雇用契約を結び、人材派遣会社から紹介された会社に派遣されて、その会社で働く形のことです。

 

派遣社員は勤務時間や時給が決まっており、安定して働けますが、3ヶ月ごとに契約更新があり、そのたびに雇い止めされる可能性があります。

 

 

一方請負社員とは、請負元の会社に在籍しながらその会社が他の企業から仕事をもらい、その仕事を遂行する社員のことです。

 

そういった仕事は短期または長期のプロジェクトとして発注され、請負元の会社はそのプロジェクトを期限内に終わらせるための人材を客先に派遣します。

 

そのプロジェクトを遂行する請負社員の人数は請負元の会社が決めれます。

 

 

つまり、派遣社員が人材を派遣する形態なのに対し、業務請負は業務を発注し、会社同士で業務請負契約を結び、その業務に必要な分の人材を派遣するスタイルです。

 

 

人材を発注・契約するのが派遣

 

業務を発注・契約するのが請負

 

 

という意味で似ているようで違います。

 

 

労働者にとってはどちらも雇い主の元で働くわけではなく、外部の会社に派遣されて働く、

 

つまり、労働契約を交わしている会社と実際に働く会社が違う、という意味では同じです。

 

 

請負社員(個人)と客先請負社員の違い

次に、請負社員(個人)と客先請負社員の違いを説明しておきます。

 

請負社員にも2種類あって、まず大企業などから仕事を請け負い、社員を派遣して働かせるスタイルの請負会社というのがあります。

 

その請負会社に所属しながら客先の会社で働く社員のことを一般的な請負社員といいます。

 

 

この場合は身分的には

 

請負元の会社で正社員でありながら客先の会社で請負社員として働く
または請負元の会社の契約社員でありながら客先の会社で請負社員として働く

 

形になります。

 

 

これに対して最初から普通の会社に請負社員として雇われるケースもあり、これを個人請負と言います。

 

個人請負の場合はどこにも雇われておらず、個人事業主でありながら、どこかの会社で請負社員として働く形になります。

 

 

一般的な請負社員は請負元の会社の社員なので福利厚生などを受けれますが、個人請負の人はそもそも雇用関係がないので福利厚生は一切受けれません。

 

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派遣社員と客先請負社員と請負社員(個人)の違い

1. 雇用形態の違い

雇用形態 雇用主
派遣社員 派遣元の会社
客先請負社員 請負元の会社
個人請負 なし

 

 

派遣社員も請負社員も派遣先の会社との間に雇用関係はありません。

 

どちらも雇用関係は派遣元、請負元となります。

 

 

また個人請負に至っては雇用関係がそもそもなく、個人事業主として働くことになります。

 

雇用関係がないため、労働法などの法律も適用されません。

 

 

そのため、派遣社員や正社員を請負社員として雇うことで合法的にサービス残業させたりする偽装請負という詐欺的な行為を行なっている会社もあるようです。

 

なので個人請負という働き方は基本的にはオススメできません。

 

 

2. 雇用期間の違い

雇用形態 雇用期間
派遣社員 3ヶ月ごとに契約更新で3年まで
客先請負社員 無期
個人請負 定めなし

 

 

派遣社員は雇用期間が3ヶ月ごとに契約更新されるスタイルです。

 

特に勤務態度などに問題がなく、仕事もなくならなければ契約は更新されますが、最近3年ルールというのができたため、派遣社員は3年以上同じ派遣先で働けなくなりました。

 

 

対して請負社員の場合、そもそも人に対しての雇用関係ではなく、プロジェクトに対しての雇用関係を結んでいるだけなため、特に雇用期間というのはありません。

 

そのプロジェクトがなくなれば急に請負契約が終了することも考えられますし、永遠になくならないプロジェクトならばずっと働き続けることができます。

 

 

また、請負社員でも請負元の会社に社員として所属しているのであれば、仮に請負先の仕事がなくなっても次の仕事が見つかるまでは請負元の会社で世話してもらえるはずです。

 

 

3. 指揮命令権の違い

雇用形態 指揮命令権を持つ人
派遣社員 派遣先の会社の社員
客先請負社員 請負元の会社
個人請負 同じ請負チームのリーダー

 

 

派遣と請負の違いで一番大きいのはココです。

 

 

派遣社員は派遣先の社員から業務の指示を受けて仕事をします。

 

 

派遣先の会社にもよりますが、派遣先の社員と一緒に働くパターンと、派遣社員同士でチームを組んで働くパターンがあります。

 

どちらにせよ、派遣社員は派遣先の会社で派遣先の社員からの指示を受けて仕事をこなします。

 

 

対して請負社員は派遣先の社員から指示を受けてはいけません。

 

請負社員に対して業務上の指示を出すことは請負法違反となります。

 

 

じゃあ請負社員は誰の命令で動くかというと、請負元の会社の命令を受けて動きます。

 

請負会社に所属していて客先で仕事をしている場合は、同じ会社の上司の指示にしたがいます。

 

 

客先の社員はこちらに指示したり、監督したりできません。

 

同じ請負社員同士でチームを組み、仕事をこなします。

 

 

請負社員の業務の遂行は請負会社の責任で管理されるのです。

 

 

このことは労働者派遣法(労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律)に明記されています。

 

 

実際私は以前、小さな会社の正社員でありながら客先の大企業に出向き、請負社員として働いていました。

 

 

そこでは以前まで、かなり怖い社員がいて請負社員たちはその社員に怒られながら仕事をしていたそうです。

 

でもそれがいつだか請負法違反だということで問題になって以降、その社員は私たち請負社員に対しては一切指示・命令を出さなくなったそうです。

 

 

そのため、そういう経緯があった後に働き始めた私は仕事中一度も怒られることなく働けて、精神的に非常に楽でした。

 

同じ請負社員のチームリーダーも優しくて上司との間の上下関係なんてあってないようなものでしたし^^

 

 

パワハラを一切受けずに済むのは請負社員の最大のメリットといっていいでしょう。

 

 

ただ、法律をよく理解してない会社だと請負社員に対して指揮命令してはいけないということを知らずに請負社員に対して指示を出してしまうケースもあります。

 

なので請負なのに実態は派遣と変わらないこともあり得ます。

 

 

ただそれが発覚した場合、偽装請負とみなされ、違法と判断される可能性があります。

 

もし請負なのに請負先の会社の社員から指示を受けてる場合は自分の会社の上司に相談しましょう。

 

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4. 給料の違い

雇用形態 給与の形態 交通費 ボーナス 退職金
派遣社員 時給制 なし なし なし
客先請負社員 月給制 あり あり あり
個人請負 成果報酬型で仕事に応じて なし なし なし

 

 

給料は派遣社員は時給制なのに対し、請負社員は請負会社からの月給制です。

 

が、実際どちらも派遣先の企業は派遣元、請負元の会社にお金を払っており、そのお金からマージンが引かれた分があなたの取り分となって、給与が支払われます。

 

 

ちなみに派遣社員は人を派遣して対価をもらう、請負社員は業務を請け負って対価をもらうという形式です。

 

 

だから派遣社員の場合は給与は時給で管理されて労働時間の分だけ給与をもらえます。

 

請負社員の場合は月給制ですが請け負う業務内容に応じて給与が変わったりします。

 

 

また派遣社員には交通費やボーナス、退職金が出ません。

 

請負社員の場合は請負元の会社で正社員あるいは契約社員なのでそこから交通費やボーナス、退職金がもらえるはずです。

 

 

しかしだからと言って派遣社員が給与面で不利かというとそうでもなく、派遣社員は交通費やボーナスが時給に含まれている分時給が高めに設定されてることが多いです。。

 

交通費とボーナスの差を引いても派遣社員の方が給与が高くなる場合も十分ありえます。

 

 

また私の請負元の会社はその会社内ではみな正社員なので普通の会社の正社員と同じように昇給やボーナスなどは年功序列に近い感じで勤務期間の長い人で上がってました。

 

なので新人の場合は給料もボーナスもおそろしく低かったです。

 

 

5. 残業

雇用形態 残業の有無 残業代の出どころ
派遣社員 ないか少ない 残業代は派遣先元の会社から出る
客先請負社員 仕事が納品日までに終わらなければ残業。早く終わっても早帰り不可 残業代は請負元の会社から出る
個人請負 仕事が納品日までに終わらなければ残業。早く終われば早帰り可能 残業代は出ない

 

 

派遣社員の場合、残業の有無は契約書に書いてあります。

 

ない場合は本当にありません。

 

ある場合は派遣先からの指示にしたがって残業します。

 

 

請負社員は請負先の社員の指示は受けません。

 

請負先のチームリーダー、または請負元の会社の指示にしたがって残業します。

 

請負社員の場合、請け負ってる仕事が期限までに終わらなければ残業することになる場合が多いです。

 

 

実際私は請負社員のときは基本残業は少なく、平均月10時間程度だったんですが、仕事が忙しくなった時に上司からチーム全員残業を命じられ、水曜以外は毎日3時間残業がデフォルトになりました。

 

 

入社時の契約のときは残業がほとんどないということだったんで、私はあまり残業したくないと言ったんですが、私が意見を言う前にすでに上司が残業することを会社同士で決めてしまっていたため、何も言えませんでした。

 

そのとき、正社員は自由がないってこういうことかと思いました。(私は請負元の会社で正社員でした)

 

 

派遣社員になってからは残業は文字通りゼロです。

 

超自由に生きれてます^^

 

 

6. 福利厚生

雇用形態 福利厚生
派遣社員 派遣元の会社からほぼすべて完備
客先請負社員 請負元の会社からすべてて完備
個人請負 個人事業主扱いなので福利厚生は受けれない

 

 

福利厚生に関しては派遣社員、請負社員共に雇用関係がある会社から出ます。

 

派遣社員は産休や育休面で少し不利ですが最近は産休も育休も取れる派遣会社も増えてきています。

 

 

請負社員の福利厚生は請負元の会社に依存します。

 

請負社員を正社員としてきちんと扱ってる会社であれば普通の会社の正社員と同じようにすべてもらえるでしょう。

 

個人請負の場合は個人事業主扱いなので福利厚生は一切ありません。

 

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まとめ

以上まとめると

 

派遣社員:人材派遣会社から仕事を紹介されてその会社で指示を受けて働く社員
請負社員:請負元の会社に正社員または契約社員として所属しながら請負元の会社が引き受けた仕事を客先の会社でこなす社員

 

請負社員の中には会社に属さずに個人事業主として最初から請負という形で雇用されて働く個人請負というのもある。

 

 

 

雇用形態 雇用主 雇用期間 指揮命令権 給与 残業 福利厚生
派遣社員 派遣元の会社 3ヶ月ごとに契約更新で3年まで 派遣先の会社の社員 時給制 残業はないか少ない。残業代は派遣元の会社から出る 派遣元の会社からほぼすべて完備
客先請負社員 請負元の会社 無期 請負元の会社 月給制 仕事が納品日までに終わらなければ残業。早く終わっても早帰り不可 請負元の会社からすべてて完備
個人請負 定めなし 同じ請負チームのリーダー なし 成果報酬型で仕事に応じて 仕事が納品日までに終わらなければ残業。早く終われば早帰り可能 個人事業主扱いなので福利厚生は受けれない

 

 

ちなみに請負契約を結んでて形式上請負という形で働いてても実態は派遣のように発注者である現場の会社の社員の指揮命令を受けてたりする場合、実態で判断されて労働者派遣事業であるとみなされる場合があります。

 

 

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