派遣社員が担当業務以外の仕事を頼まれたら断るべき?どこまで引き受ける?
派遣社員は契約により、仕事内容が決まってます。
そして契約外の仕事はしてはいけない決まりになってます。
でもそんな契約を無視して担当業務以外の仕事を頼まれることはよくあること。
今回は派遣社員が契約外の業務を頼まれた場合、断るべきなのか、引き受ける場合はどこまで引き受けるべきなのか解説します。
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派遣社員が担当業務以外の仕事を頼まれたら断るべき理由
基本的に派遣社員が担当業務以外の仕事を頼まれたら断るべきです。
理由は以下の通りです。
1. 法律違反だから
まず派遣社員は派遣先の指示に従って仕事をします。
しかし派遣先は、労働者派遣契約で定めた範囲を超えて派遣労働者を指揮命令することはできません。
派遣元の会社は派遣労働者が従事する業務の内容について、就業条件明示書に記載して派遣労働者に明示しなければならないと定めています。
もし契約外の業務を頼まれた場合、労働基準法は、第15条で2項より
「前項の規定によって明示された労働条件が事実と相違する場合においては、労働者は、即時に労働契約を解除することができる。」
とされています。
したがって契約内容と仕事内容が違う場合、派遣社員は派遣元との労働契約を解除することができます。
2. 担当業務以外の仕事を引き受けてミスをして会社に損害を与えた時にややこしくなるから
担当業務以外の仕事を引き受けた時に一番問題となるのがその仕事をしてる時にミスをして会社に損害を与えたときです。
このとき、派遣社員が契約書にない業務を勝手にやっていたとして、会社がその損害の責任を派遣社員に負わせようとする可能性があります。
契約内の仕事であれば仕事を指示した派遣先の責任で済みますが、契約外の仕事でミスをしてしまうと問題がややこしくなってしまうのです。
その場合に派遣会社に責任が行く可能性もあるため、派遣会社が派遣社員に対して契約にない仕事は絶対しないように厳重注意を呼び掛けているケースもあります。
自分の身を守るためにも、契約外の仕事は引き受けない方がいいのです。
3. 本来その時給で引き受けるべき仕事じゃないから
派遣先の会社が担当業務以外の仕事を頼むケースでたまにあるのがその人にしかできないような専門的な仕事。
たとえば前職がプログラマーの派遣社員にプログラムを組む仕事を頼むとか、英語が得意な派遣社員に翻訳や通訳の仕事を頼むとか。
こういう仕事は本来高い時給をもらって行う仕事です。
それをたとえばコールセンターとか、事務の仕事をやってる人が引き受けてしまうとどうなるか。
本来プログラマーとか、翻訳・通訳などで仕事を引き受けた時にもらえたはずの時給がもらえない分損します。
逆に言えばあなたにプログラミングとか英語などのスキルがあって派遣先にそれを使う仕事があるなら時給アップの交渉のチャンスです。
そういう仕事を頼まれたときはとりあえず断りつつ、時給アップしてくれるなら考えます、という回答をするといいでしょう。
4. うかつに引き受けると他の派遣社員にも影響するから
もしあなたがその会社で唯一の派遣社員なのであれば契約外の仕事を引き受けようが断ろうがそこまで問題にはなりません。
でもあなた以外にも派遣社員がたくさんいる職場の場合は少し問題になります。
たとえば誰か一人でもそういう仕事を引き受けてしまうと、他の派遣社員も引き受けなければけない雰囲気になってしまうからです。
担当業務外の仕事をするかしないかの考え方は派遣社員によってさまざまですが、基本的には法律にしたがってしないのが正しいです。
もし誰かが引き受けてしまうとそれによって他の派遣社員も影響を受けるため、他の派遣社員から嫌われてしまう可能性があります。
会社によっては契約外業務も当たり前のようにやらせる文化があるので注意
零細企業など小さな会社にありがちなことですが、法律を全く理解せず、派遣社員が契約外業務をやるのは当たり前のことと考えてる会社もあります。
派遣社員はなんでも頼めばやってくれる便利屋扱いみたいな感じの扱いですね。
こういう会社に当たってしまった場合は労働基準監督署に訴えれば一発アウトなので派遣会社に相談するのもありですけど、仕事がなくなるのが困るのであれば契約期間内は我慢して働きましょう。
古い体質の会社はそう簡単に変わりませんからね。
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担当業務以外の仕事を頼まれたときの断り方は?
頼まれた仕事を断るというのはコミュニケーション的に結構難しいですよね。
立場上相手が指示する側なので面と向かって文句を言える立場でもないですし。
実際「担当業務外ですので」と突っぱねるような言い方は派遣先との人間関係を悪化させてしまいます。
ってことで相手を傷つけないやんわりとした断り方で断りましょう。
「契約業務内の仕事かわからないので派遣会社の営業さんに確認します。」
と言って実際に派遣会社の営業さんに相談するのが一番です。
実際派遣先の社員は派遣社員に関する細かい法律を理解してない人が多いので現場の社員に何言っても理解してもらえず、「なにこいつ。派遣だからって仕事舐めてんのか?」みたいにただのわがままだと思われてしまう可能性が高いです。
なので派遣会社から派遣先の会社の代表の人に言ってもらわないと解決しにくいですね。
それで「なら結構です」と言われたらそれは契約外の仕事だったということですね。
ただし、派遣会社によっては派遣先との関係を壊したくないため、契約外の仕事でも積極的に引き受けるように言う会社もあります。
法律違反だから本来は派遣会社がそんなこと言っちゃダメなんですけどね。
その会社の正社員になりたい人は引き受けるのもあり?
本来は派遣社員が契約外の仕事を引き受けるのはタブーです。
でも実際何でも仕事を引き受けることで派遣先の会社に気に入られて、正社員として採用してもらえる、というケースもあります。
もしあなたがその会社の正社員になりたいなら、社畜根性で真面目にその会社に尽くしますアピールするために契約外の仕事を積極的にやるのはありかもしれません。
しかしおすすめはしません。
派遣社員はあなた一人ではないわけで、あなたが仕事を引き受けることで他の派遣社員も巻き込まれて契約外の仕事をやらされる羽目になり、それを誰かが派遣会社に訴えることで問題になる可能性があります。
またいくら真面目に働いたとしても正社員にするかどうかを判断するのはあなたの上司とは限りません。
あなたの上司に何の権限もなければいくらその上司があなたを正社員として雇いたいと思っても雇えません。
あなたがどんなに頑張ってもその努力が認めてもらえるとは限らないのです。
基本的に派遣社員はあくまで言われたことだけをやるのが仕事だと思ってやるべきです。
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契約にない担当外の業務はどこまで引き受けるかの判断基準は?
では担当業務以外の業務はどこまで引き受けてどこから断ればいいのでしょうか?
その判断基準をお伝えします。
全然違う業務なら絶対断るべき
たとえば内勤の仕事なのに営業の仕事を頼まれたら絶対断るべきですね。
システム開発の仕事なのに電話業務があった場合なんかも断れます。
事務なのに経理の仕事を頼まれたり、データ入力なのにプログラミングの仕事を頼まれたりしたときも断るべきです。
仮にそれが自分にできる仕事でやりたいと思う仕事であったとしも、単純に引き受けるのではなく派遣会社を通して契約書を変更してもらい、時給アップの交渉も合わせて行うべきです。
働く場所が違うのも断るべき
次に勤務地は契約書に明記されてます。
その勤務地と違う職場で仕事をするように命じられたら断るべきです。
担当業務に関係する仕事は契約の範囲内としてある程度引き受けるべき
自分の担当する業務に関係のある仕事は契約の範囲内だと思ってある程度引き受けるべきです。
たとえば自分が作成した書類のシュレッダー処理とか。
担当業務に関係する仕事だと派遣会社に契約外の仕事を任されてると苦情を言っても契約内ですと言われるのがオチです。
いくら派遣でも自分が担当する業務に関係する仕事で自分にできることならなるべく引き受けましょう。
また例えばですが契約書に「事務及びそれに付随するもの」などと書かれてたら仕事の幅はかなり広くなります。
この場合いろんな雑用を任されてもなかなか断れません。
雑用はある程度は付随業務ととらえてやるべき
じゃあ掃除、ゴミ出し、お茶出し等雑用はどうなのか?
契約書に書かれてた場合はもちろんやるべきですが書かれてなかった場合は断れます。
ただし契約書に「事務及びそれに付随するもの」と書かれた事務として雇われてる場合、掃除、ゴミ出し、お茶出し等は付随業務にあたるため、むしろ積極的にやることが求められます。
付随業務に当たるかどうかは結構微妙な判断になるので自分でわからない場合はまず上司や先輩派遣社員に聞く、そういう相手がいない場合やそれで解決しない場合は派遣会社とも相談するといいでしょう。
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まとめ
派遣社員は担当業務外の仕事を勝手に引き受けるのはあまりよくないです。
その理由は
- 法律違反だから
- 担当業務以外の仕事を引き受けてミスをして会社に損害を与えた時にややこしくなるから
- 本来その時給で引き受けるべき仕事じゃないから
- うかつに引き受けると他の派遣社員にも影響するから
ということでした。
まぁ実際に担当業務以外の仕事を頼まれたら引き受けちゃう人が多いと思いますけど、法律違反ですし、時給アップの交渉材料になったりするので安易に引き受けるのはよくありません。
引き受けるかどうかの基準はそれが契約書に書かれた業務の付随業務にあたるかどうかですが、これも微妙なので先輩と相談したり、派遣会社と相談したりして慎重に引き受けるようにしましょう。
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