小さな会社のSE正社員から派遣SEに転職したら年収100万以上上がった話
たくみさんは情報処理の専門学校卒業後、小さなシステム開発会社に正社員として入社しました。
しかしその会社は4年で潰れてしまい、その後派遣SEに転職しました。
その結果給与が上がり、年収にして100万以上も上がったのです!
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たくみさんの正社員の頃と派遣社員の頃の残業時間と給料の比較
職種 | 残業時間 | 給料 | |
---|---|---|---|
正社員のとき | 月5時間程度 | 一日三時間 / 月60時間 | 26万 |
派遣社員のとき | アプリケーション開発 | 一日0〜2時間 / 月20時間未満 | 40万 |
小さな会社に正社員SEとして就職した話
私は地方出身者で、高校卒業後、情報処理の専門学校に進学し、プログラミングを学びました。
21歳の時、システム開発会社に正社員として就職しました。
それから4年間務め25歳で退職しました。
そして次の仕事を探していた時に、いろいろと考えていましたが、前会社での経験や会社に対する考え方もゆがんでしまったので、正社員として働く気にはなれませんでした。
私が最初に就職したシステム開発会社が、私の社会人としてのスタートでした。
この会社は、ある意味社会で働くことの全てを教えてくれたと思います。
仕事とは、どういうものかを教えてくれました。
今から思うと働きはじめは二十歳そこそこの田舎から上京してきた、世間知らずの若者でした。
この会社は、中小企業というより、零細企業に近かったですね。
社員は、わずか8名ほど、その他契約や、フリーランスのシステムエンジニアなど含めてもわずか20人ほどの本当に小さな会社でした。
当時、私が入社した歳には、社長は31歳でした。
会社を立ち上げたのが、27歳の時ということで、私が入社した時、会社設立4年目という時期でした。
そもそも私は、社会人経験未経験であり、システムエンジニアとしても経験がありませんが、面接の時の熱意と、面接官だった部長と、たまたま気があったことで採用されました。
この会社、事務所は、ほんとにちっぽけな極狭の雑居ビルの一室を借りていました。
普段は、事務所にはほとんど社員はおらず、事務所にいるのは、事務方の2名だけ、社長も普段は事務所にも来ません。
社長を含め、ほとんどのスタッフ全員は顧客先の現場にて作業をする常駐契約での開発業務を行っていました。
この会社、営業はほとんど社長がやっていました。
つまり、この会社は社長のコネクションと営業力1つで、やっているような会社でした。
私が所属した会社意外でも、このクラスの会社は、他にもたくさんあるとは思います。
私は会社との契約は、会社と社長の考えにより、自社で人材開発をしたいことから採用された、若手社員の第1号だったというわけです。
社会人経験未経験の私にとっては、とりあえずどこでも良いので開発会社に入れただけでも良かったのです。
最初こそ、そんな初々しい思いで仕事をはしめました。
この会社のスタイルとしては、システム開発会社と言いつつ、実体は人材派遣のような会社でした。
まぁ、よくありがちなスタイルです。
小さい会社の割りには、社長の営業力のせいか、仕事はありました。
私が一番最初に客先に出されたのは、書籍販売チェーンの本社の財務経理部です。
私の所属会社からは、まだ駆け出しで素人同然の私を含め、私の教育係としてついてくれた4歳年上の先輩でした。
この先輩は、私の会社の社員ではなく、うちの会社と契約しているフリーランスのシステムエンジニアという方でした。
システムエンジニアとしてのキャリアは、5年ということでした。
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最初の現場は、たった二人の開発人員が常駐し、既存システムのメンテナンスや業務サポートなどをするのが仕事でした。
実質、ここでの仕事、作業を行っているのは先輩だけだったのです。
最初の半年は、私なんて全く役にたちませんし、できる仕事もほとんどありませんでした。
毎日、毎日、ひたすらマニュアルを読み、システムを理解するだけでした。
今から思うと頭の中が、システムエンジニアに全くなっていなかったのですね。
まだ、若かった頃の私は、自分の思い描いていた理想とは、ほど遠いシステム開発エンジニアの仕事に正直、ギャップを感じていました。
もちろん、最初から仕事ができる人なんて、なかなかいないでしょうが。
正直私は、システム開発エンジニアとしての仕事をはじめ、客先に常駐した時には3ヶ月くらいで、失敗したかな?向いてないかなとも思い、辞めたくもなりました。
同僚がいるわけでもないし、外部契約の先輩一人だし、常駐先の周りの人は、お客様なので相談相手や話し相手もおらず、私はたった一人で毎日孤独でした。
業務のことも、システムのことも理解していなかったので、仕事の話を聞いても、意味が理解できなかったのです。
そのため、仕事の話しなどもできず、周りとのコミュニケーションも、ほとんどとることはなく、ほぼ1年、あまり誰とも喋らず、常駐先の現場にいる時は、猫を被ったように、毎日何事もないように、自分のことを触れられないように、いつも緊張していました。
そんな精神状態で、我慢しながらも今辞めたら終わりだと思い、とりあえずは、常駐先に毎日行くことは行きました。
そんな私の状態を見て、私の指導する先輩は、あまり何も言いませんでした。
私にくれたアドバイスと言えば、勉強は自分でするもの、自分が理解しなきゃ何も始まらないという実に抽象的なものでした。
しかし、時折、ドキッとするような声をかけられたので、いつも自分なりに先輩の言葉を受け、考えていました。
当時は、アドバイスとして言ってくれていることが、全く理解できていませんでした。
しかし、今から思うと、先輩の言ったことは、わかるような気がします。
やはり知識やスキルは自分で積み上げるしかないのです。
特にエンジニアの場合、日進月歩で進む技術に自ら、対応していく必要がありました。
私は、誰かに教えてもらおうと思っていて、甘えがあったのかもしれません。
とにかくいろいろな苦労がありつつ、経験を積み4年が過ぎました。
この会社で失敗したなと思ったことは、十分な研修制度がなかったことです。
ですから、私は必死で独学しました。
そして仕事もできるようになってくると、当然、会社に対して不満も現れます。
当時の私の給料は年俸制で残業代はありません。
月額26万円の固定給、ボーナス2回を含め14ヵ月×26万円=360万円でした。
仕事ができるようになると、当然業務の範囲も広がり、最初はプログラムだけだったのですが要件定義から設計までできるようになりました。
また現場も二つ、三つと一つの期間で複数の案件をかかえるようになりました。
残業時間も当然増え、一日にして三時間、月にして60〜100時間の残業となりました。
会社としては、人材教育として私に初期投資をしたとしても、給料が安すぎることに不安がありました。
社長が失踪して会社が倒産した話
そんな中、突然のことが起こりました。
この会社に勤めて四年が経とうとしていた頃、会社の業績悪化により、社長が行方不明となってしまったのです。
まさか、こんな感じで終わりを迎えるとは思いませんでした。
小さい会社というのは、ほんとに何があるかわかりません。
これまで安月給でひたすら頑張ってきたのですが、まさかこんな感じで終わるとは、、、。
私は当然仕事を失いました。
せっかくシステムエンジニアとしてやってきたのにという無念と、会社というものに対しての不信感が募りました。
正社員になる気はなくなり、それでも仕事はやらなくてはならない。
軽い気持ちではじめたのが派遣契約でのシステム開発の仕事でした。
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派遣SEに転職した結果、年収100万円以上上がった話
派遣社員転職後の給与は時給にして2500円、残業もほとんどなく、月給は約40万円以上。
残業があれば、残業代もしっかり出ます。
年収もぐんと100万円以上もアップしました。
正社員で働いていたのが、本当に馬鹿らしくなりました。
派遣という仕事は、雇用が保証されていないだけに、その時だけの契約は意外としっかりしていることを知りました。
正社員にこだわる必要はない
私が所属システムエンジニアとして、正社員と派遣社員との経験にて感じた違いは数多くあります。
正社員は永続的に雇用してくれ、仕事も与えてくれます。
ですので、正社員は安定しているようにも思えます。
また、日本では正社員であることが、社会的信用が高いですし、正社員であれば、偉いというような風潮はあります。
これは社会全体が実際の雇用背景にマッチしていないからでしょう。
しかし、正社員が安定しているというのは、会社が安定している時のみです。
正社員と言えども期間限定なのです。
つまり、仕事をする上では派遣社員も正社員も、ほぼ変わりません。
私の場合は、派遣での契約のほうが年収が格段にあがりました。
残業代も10分単位での精算、そして125%の支払いが約束されているので、忙しければ、忙しいほど稼げます。
おそらく、私のように派遣社員でも正社員の方より稼いでいる方は数多くいるでしょう。
こうして私は社員へのこだわりは、一切なくなりました。
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